国民が知らない東大入試の真実

文系の東大受験生に役立てればいいなと、情報を置いておきます。

東大英語 3ABC

リスニングは読み書きとまったく別の能力が要求されると考え、敬遠する人が多い科目です。
しかし、東大のリスニングに限っていえばリスニングを苦手と割り切ってしまうのはナンセンスなように思えます。放送される英文は1B 5と比べれば大変平明なものであり、問われる設問も内容を理解すれば答えられるものばかり。細かい数値を聞く問題やディクテーションが出題されることもありますが、それはごく一部です。¬
あらかじめ設問に少し目を通しておけば、あとは「聞くだけ」 聴力検査というと度が過ぎますが、正しい方法を心得ておけば26-30点を安定させることは簡単です。

とはいえ、やはり慣れない内はミスが多く出るものです。聞き取れなかった時の原因は大きく2つに分けられます。
1.そもそも知識が不足していた (例:There is nothing to it. という表現が読まれたが、この意味を知らなかった)
2. 単に聞き逃していた (例:終わった後に聞き直したらすぐに分かった)

私立大学の問題の場合、前者の場合がかなり多いのですが、東大の聞き取りのミスはだいたい後者です。
前者の場合は知識を増やすという単純な治療法があるから良いものの、後者の場合は原因が判然としないことが多いです。「たまたま調子が悪かったから」などといって原因と向き合うことから逃げてしまう人もいます。しかし、いくつかのことを意識するだけでミスはかなり改善されるものです。自分の場合に、これを意識したら少し精度が上がったぞという事項をいくつか挙げておこうと思います。

1. 放送が始まったら問題を見ない
放送文の意味がわからなくなる場合に一番多いのが、問題文と放送文の両者の間を頭で往復している内に話の論点が迷宮入りしてしまうというパターン。特に自分の場合だと、「何いってるか分からない……問題文からヒントを探さなきゃ」→「ァ……話についていけない」という感じになることが結構ありました。
これに対する少々暴力的な解決策が、「放送後に絶対に問題を見ない」こと。放送文に徹底的に集中して、放送間の30秒で問題を解く。分からなかった部分に集中して2回目の放送を聞く。こういうメリハリが試験中に混乱するリスクをかなり減らしてくれる気がします。

2. メモを取らない
東大のリスニングは基本的に一問一答式なので、時系列や年号、地名などがそのまま問われることは少ないです。解答の選択肢も細かい違いを問うものは少なく、話の筋を理解していれば容易に答えられるものが多いです。
私立などでよくある設問が、「何匹のラットが実験に使われたか? 1. 114514匹 2.140514匹 3.114540匹 4.140540匹」などというもので、確かにこれはしっかりメモを取らないと忘れてしまうー悪くいえば瑣末な設問ですが、東大では「なぜラットが実験に使われたか? 1. 他の動物に比べて安価だったから 2. 遺伝子がヒトと似ているから 3. ラットが伝染病の主たる感染源だったから 4. おいしいから」といった風に、話の内容を理解すれば簡単に答えられる設問が大半を占めています。
話の内容を頭を使って聞いていれば、メモを取る必要がないのです。むしろ、メモを取ることに頭を働かせすぎて、話の大筋が掴めなくなるパターンに陥る危険性もあります。

3. 登場人物を把握する
会話形式の文だと、誰がどういう立場なのかを頭の中ではっきりさせることでかなり問題が聞き取りやすくなります。東大でよくあるのが、ディスカッションが放送されて「Aは何を支持しているか」「Bはどういう見解を述べているか」みたいな問題で、登場人物の名前には特に注意を払う必要があります。


ともかく、点数を上げるには「なぜ間違えたか」という問いを放棄しないこと、そして問題を解く時には徹底して集中することです。「今回は適当にやっただけでちゃんと聞けば満点がとれる」といった言い訳をしている限りは、本番の後も同じ言い訳をする危険性を背負い続けることになります。

偉そうなことを書きましたが、本番はセンターリスニング50点、東大リスニング30点だったのでご容赦を(唐突な自慢)