国民が知らない東大入試の真実

文系の東大受験生に役立てればいいなと、情報を置いておきます。

開示得点

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・国語
今年は採点が厳しかったので、この点数は相当良いらしいです。
受験の科目の中では一番努力をしなかった教科なので、アドバイスとして還元できるものは何もないです。

・数学
2完は確実にしていて、3と4もそれなりに解いていたので、思ったよりも低い点数だなというのが率直な感想です。ただ今年は採点が厳しかったらしいので、その基準に沿って考えれば無難な点数です。

・英語
まあまあです。他教科に比べて例年との採点のブレが少なかった気がします。

・世界史
思ったよりも低かったです。問題が平易だったから採点が厳しかったのかもしれません。

・日本史
思ったよりも高かったです。分からない問題では、とりあえず問題文から読み取れることを卒なく無難にまとめておけば、そこそこの評価は得られるようです。




・まとめ
例年と比べて採点が辛かったようです。2013と比べると、国語が-20程度、数学も易化したものの採点の厳しさで実質+10、英語は変わらず、社会が合わせて-10くらい。そう考えるとあの最低点は妥当なもののような気がします。
今年に限っていえば、文系では相対的に英語の重要性が上がった年といえるかもしれません。採点が不安定な社会・国語以上に、比較的安定した点数を得られる数学・英語を重視するという基本的な受験戦略は、今後も引き継がれるものかと思います。

一年間の受験生活

大して参考にはならないと思います。読み物として楽しんでもらえれば幸いです。


4・5月
学校行事のために何もやらなかった。

6月
あまり受験勉強に身が入らない。数学などをやっていたが、ほとんど勉強していないに等しい。

7月
センター倫政の勉強と日本史の二次の勉強をひたすらやっていた。自習室などを有効に使って、かなり勉強をしていた(気がする)

8月
夏休みだったけどあまり勉強をしなかった。強いて言えば数学をたくさんやったが、あまり伸びなかった。講習類は一切取らない。
成績が悪いことへの劣等感から精神がかなり荒んでいた。だいたい受験範囲の勉強が終わり、学習に新鮮味がなくなってしまったのも辛かった。
夏の終わりの方でセンター倫政の対策を一気に終わらせる。夏休みの成果は倫政が終わったことくらい。

9月
夏の模試が両方A判定で、意外と受験生がよわいことを知る。実際は、駿台は運良く数学満点が出て、河合は国語がたまたま良かっただけ。
どうせ受かるだろうという甘い読みで大して受験勉強をやらなかった時期。世界史が弱かったので重点的に勉強を進めた。

10月
センター対策や二次対策を囓るようにやってたせいでどれも大して成績は伸びなかった。何も印象がない一ヶ月だった(バランスよく勉強をやっていたのかもしれない)
有り体に言えば「中弛み」の時期。時間があっという間に過ぎる。

11月
ふたたびスランプ。何もかもできないし、模試も惰性で受けた。遅れていた世界史と日本史を一気に進めた。でも日本史はあんまり進まなかったかも。
異常にできない時って何でできないのか自分でも分からないもので、とても苦しかった。上手いリフレッシュとかはなかったなあ。惰性でやっていたビートマニアが少し上達したので、それがちょっと生活の癒やしにはなっていたけど。

12月
模試が両方A判定で返却。成績は底辺だったけど、スランプ中にこの成績ならマシかという認識。高い成績を目指さず、ボーダーでも受かればいいと考えて気持ちを安らかにする。
日本史の知識が足りてないので、とにかく日本史をやる。あと世界史の過去問を40年分ほどやる(もちろん論述などは書く内容のメモだけで実際に600字書くことはしない)
12月中ごろのセンタープレテストで酷い点数を出してしまい、センターへの危機感が高まる。12月下旬から、年内に夏休みにやった倫政の問題集と新しく買った短期攻略を1周する。生物は年明けからと心の中で決める。センター対策の一方で、日本史と英語の過去問の復習を進めた。

1月・2月
1月はセンター対策。さすがに二次対策を行う余力はなくなった。学校と塾がなかったので捗った。毎日国語以外の各教科を数年ずつ。演習に時間が取られないので、予想以上に捗る。二次にそこそこ余裕で受かる実力のある人なら、年明けからでもセンター対策は十分だと思う。センター本番はまあまあの成績。悪かった国語は1月に過去問を2年分しかやらなかったので、こんなもんだろうと。
センター後は二次型演習重視。こちらはセンターと違って時間を喰うので、なかなか進まず苛立ちを感じた。1月下旬東大模試・2月上旬プレテスト(東進、河合)が280,270という成績なので安心。
センターで倫政をやっていたために日本史がヤバいことを2月になって自覚し、2月下旬にはめちゃくちゃ勉強する(1日5時間以上)
あとはひたすら演習。世界史は実際に書くことはしないでポイントだけをメモして演習したから捗った。最後一週間は数学英語は毎日1セット。古文は2年分、漢文は0年分。


まとめ

・模試の採点はいい加減だけど、ぜんぶA判定をとってる人は自分を含めて周りでもほぼ全て受かっていました。受験勉強における実力の一つの指標としては有効だと思います。
・また裏を返せば、A判定が安定していればだいたい受かるので、受かるだけで良いという人は過度に気に病むことはないと思います。自分も、8月の模試では「これしか出来てないのにA判定って、もしかしてA判定から8割も受かんないんじゃないか」と不安になりましたが、周囲の人間を見る限りそれは杞憂だったようです(頻繁に冊子掲載されていた同校の同級生は全員合格でした)。「どんなに成績が良くても落ちることはある」といって脅す人々がいますが、まぐれでいい成績を出したというのでないのならば気にしないほうが良いです。そもそも毎回A判定を取るような人間は、いい成績が出たからといって油断する種の人間じゃないです。この種の言説は受験生に無用な心配を与えるだけで、まったく迷惑なものです。
・受験勉強も佳境に入ると、ぐんと実力が伸びるという実感が沸かなくなり、ただ現状の能力を維持するために長い勉強時間を割くつらい時間が訪れます。こういう時には、いくら努力しても点数が見込めないといって勉強を投げ出したくなるものですが、自分の能力に高い維持費を時間として投資しているのだとおもって、艱難を受け入れましょう。どうせ、1年程度の経験なんですから。
・1月や2月には睡眠をたくさん採りましょう。過剰な努力は無用なストレスを招き、本番でのパフォーマンスにおいて努力と精神状態が相殺されてしまう危険性もあります。追い込みは大事ですが、自分の能力や性格と相談して無理のない計画を作るのが良いです。でも始めから妥協するのは良くないです。「無理をしない」ことと「進んで楽をする」ことは別物です。
・人間関係には配慮した方がいいです。受験期はみんなセンシティブになっているので、思わぬ一言が相手を傷つけることがあります。周りに能力に比してプライドの高い人間が多いと尚更。まあ、こういう時にこそ本音で話せる相手が本当に信頼できる友人、ってことかもしれないです。



受験は人それぞれの向き合い方があると思うので、あくまで一人の受験生のエピソード、一人の人間の考えとして参考にしてもらえれば良いかなという感じです。
とにかく、いろいろなことを思い悩み過ぎないことです。所詮は「手続き」。

東大英語

文系であれば、もっとも高い得点率を望むことができるのがこの科目であることは疑いようがありません。最低目標としては80、英語で稼ぐ人は95程度が目標になると思います。数学と違って難易度の高低が激しいわけでもないので、実力をちゃんと身につけて、落ち着いて解けばなんとかなるはず。

0. 総論

英語は1から5までのの5つの大問からなり、分野では7つに区分されます(要約 論説文の読解 英作文 リスニング 英文法問題 和訳問題 物語文の読解)
ある程度英語の知識を習得すれば、たとえば150分時間が与えられたならば誰でも90点以上は取れるような、基礎的な設問になっています。(少なくとも、私立大学のように juxtaposition crucifix などの難単語の知識が必要となることはありません)
東大英語の最大の難点は時間制限が厳しい点にあるといってよいでしょう。ある設問で少しでも立ち往生すると、途端に時間が厳しくなります。また、試験のちょうど真ん中の時間にリスニングが挿入されるために、このことを考慮して問題を解き進めなければなりません。
しばしば、問題の解く順番を戦略的に考えることの重要性が強調されるのはこのためで、東大英語という土俵に立つためにはまず問題の性質を把握し、解答順をよく吟味する必要があります。試験場でその判断を行うのはリスキーなため、多くの人は予め順番を考えておくことになります。自分にあったやり方を見つけられれば、段々とこの教科の得点は安定してくるはずです。

もちろん、どこから解こうが時間が余るという帰国子女並の英語力を持つ人もいることは確かです。そういう人はこんなブログを読むだけ時間の無駄であります。ただG1クラスのボーダーなどを見る限り合格者の9割ほどはそこまでの英語力を持っていないようなので、参考にしてもらえる部分もあるんじゃないかなと期待しています。


1. 各設問の特徴

それぞれリンク先にまとめて書いたのでご参照ください。
1A 要約
1B 段落整序・空所補充
2 英作文
3 リスニング
4A 並び替え・不要語切除
4B 和訳
5 長文総合問題

2. 解答順

解答順についての考察をこちらにまとめました。

3. 勉強法

大して参考にはならないと思いますが、個人的に英語の力を身につけるために行った勉強、心がけたことなどをこちらに書いておきました。

東大英語 自分の勉強法

1. フロー

〜高2
鉄壁の単語をほとんど覚えた
同日模試86点でした(激甘採点)

高3 4月〜8月
学校行事に追われていたのと社会の進捗が遅かったことがあって英語をほとんどやらなかった。(4月ー12月は毎週鉄緑で東大模試の過去問演習があった)
夏の模試で80割ったことに危機感。傲慢になるのは良くない。気を引き締める。

高3 8月〜11月
適当に洋書などを読んで過ごす。ジーニアス英和辞典などの例文をたくさん暗記する(英作文力向上に役立った)。他大学の過去問なども使ってたくさん英文を読む。

高3 12月〜1月
洋書などを読みつつ、東大リスニングの復習を始める。12月にメンタルがすごく厳しくなったが、塾の演習などで英語力の向上を感じられるようになり安心する。
1月の東進模試で英語100をとり、一安心。手を抜くと死ぬということは去年の春に痛感していたので、毎日洋書(or ネットの英語の文章)1時間とリスニング30分はセンタ対策中も継続。

高3 2月〜3月
センター後はほぼ毎日予備校の東大模試120分を1セット解いていた。だいたい90−100で安定している感じ。1Bと4Aがほぼ満点で安定してくる。本番3桁ワンチャンを感じる。
しかし当日は1Bで轟沈。やはり傲慢はよくなかった(二度目) しかし発表後にTLP案内がきており、そんな悪くなかったことに安心。



2. 具体的な勉強

洋書
高3の間に4冊くらい読んだ気がする。一気に読むことで英文に対する集中力が鍛えられるし、小説を読めば口語文への耐性もつくものです。当日、結局5は時間不足でうまく解けなかったのですが、英文の多読は5以外のいろいろなところで役に立つと思います。

リスニング
東大の過去問を10年分2回くらいはやった気がします。東大の問題程度だったらシャドウイングなどをやる必要はないと判断。音読も暇つぶしには良いですが、たくさん音読しようと思うと結局ただ字面を追うだけの中身のない勉強に陥りがちなもの。

英作文
頭のなかで自分でテーマを決めて、それについて頭のなかで英語で説明する練習。日本語で思いついていることが英語でわからなかったら辞書で引いてうまい表現を見つける。主に入浴時や食事中の暇つぶしにやっていました。おかげで発想力が上がったかもしれません。

フレーズ暗記
英作文にも関連することですが、単語単体ではなくフレーズをまとめて覚える。イディオム問題や不要語切除など、幅広い問題に理詰めではなく直感で答えられるようになる気がします。気長な努力が必要ですが。



3. 気をつけたこと

英語のどの設問でもいえるのですが、「問題を解こうという気持ちが先走って設問ばかりを目で追ってしまう」状態に陥らないように気をつけていました。
混乱するほど、人間は問題文を置き去りにしがちなもの。たとえば、要約の日本語を何度も推敲したり、下線部だけを見て和訳を考えたり、設問の選択肢を見比べて”それっぽい”ものを選ぶことに執心したり。
センターと違ってそういう子供騙しで点数が稼げないのは自明ですよね。おおらかな気持ちで問題文を読む方が結果的に得点は向上する気がします。東大教授が大切にしているのは、小手先のテクニックよりも「しっかり問題文を理解できているか」ということだと、少なくとも自分は考えているので。

東大英語 解答順

王道というパターンはなく、個人によって多種多様なものです。いろいろなものの特徴を記しておきます。

1. 4A-4B-1B-2-3-2-1A-5
自分の解答順です。4A-4Bは分からなかった時に見切りがつけやすいので、ペースが乱れにくい。そして分からなくても後で見返したらあっさり解けた、ということがよくあるので最初にしていました。また1Bはだいたい15分以内で答えが出せ、要約と違ってまったく手に負えないといったリスクが少ないため、その次に配置。2はリスニングの合間の時間に解答を進められるのでリスニング前後。5は際限なく時間が溶ける可能性があるので最後、といった具合です。

2. 4A-4B-5-3-2-1(AB)
最初に4を選択しているのは前述したような理由からだと思います。5に対して得意意識があれば、リスニング前にまとまった感触が得られて良いかもしれません。
この辺りは1A 1B 5に対する自分の適性と相談して変えてもさほど差はないように思います。

3. 1A-1B-2-3-4A-4B-5
番号に忠実な解答。これはこれでアリかなとも思いますが、要約を適度な時間で見切るのは難易度が高そうだなと思っていました。でも実は、リスニング前に2までが終わっていれば良いということで目安がはっきりしているのは楽かもしれない。


まあ、3つくらい書きましたが、いろいろ自分に合ったのを探したほうがいいです。順番のことを悩む暇があったら勉強しましょう。

東大英語 5

長文読解、といってもその内実は読解が半分、あとは他の設問の寄せ集めって感じです。具体的には、4Aの並び替えや4Bの和訳、イディオムの知識を聞く知識系の問題と、本文の内容に肉薄した読解系の問題が半々あるという感じ。5が極端にできないという人がよくいますが、文章が読めなくても知識だけで半分くらいは得点可能なのです。

ということで、設問内容が多岐にわたるために5に特化した勉強法というのはあまりありません。口語長文に慣れると読解系の問題に対する耐性がつくようなので、洋書などの口語文に積極的に触れると良いかもしれないです。あとはしっかり意味を理解して読み進めていくことです。文章がちゃんと理解できてないのに無理やり前に進もうとすると、必ず頓挫します。