国民が知らない東大入試の真実

文系の東大受験生に役立てればいいなと、情報を置いておきます。

東大英語 4A

この分野の問題形式は「不要語切除」「並び替え」のいずれかであることがほとんどです。一般的には不要語切除の方が難易度が高いと思われがちですが、並び替えでも侮れない問題が出ることは充分にあり得ます。ただ、不要語切除という形式が東大特有のものであるために、慣れないうちは解きづらいと感じることもあるかもしれません。
また、どちらにしても「コロンブスの卵」的なところがあり、理屈を聞けば簡単だけどもそれを試験でひらめくことができない、という苦しみを伴うものです。数学に似たところがあるかもしれません。ただとにかくたくさんやっていれば、ひらめきの頻度も上がってくることでしょう。出来るようになるとなかなかたのしい設問です。
2分野のポイントをそれぞれ分けて説明します

1. 不要語切除
長文の中に傍線が引かれており、その部分の中で取り除く必要がある単語を選択する問題。
文法的な誤りから不要である語と、文の脈絡を保つために不要な語(hardly, fewなどの否定語が多い)のそれぞれがあります。(問題文の指示によっては前者のみのこともあります)
だいたい不要語はパターン化されており、慣れがモノを言うことが多いです。あらかじめパターンを知っておくと有利になるかもしれません。動詞が多かったり、前置詞が多かったり、文脈からしておかしかったり。
素人なりにちょっとパターンを意識して例題を作ってみたので、良ければ見てみてください。

例題(オリジナル、1個ずつ余計な単語があります)
(1) Now we are engaged in a great civil war, testing whether that nation, or any nation is so conceived and so dedicated, can long endure.
(2) Let every nation know, whether it wishes us well or ill, that we shall pay any price, bear any burden, meet any hardship, support any friend, to oppose any foe, to assure the survival and the success of liberty.
(3) We learn that Anaximandros believed the beginning or ultimate reality is eternal and infinite, or boundless, subject to neither old age nor decay, which perpetually yields to fresh materials from which everything we can perceive is derived.
(4) During the 16th and 17th centuries, in particular at the height of its power under the reign of Suleiman the Magnificent, the Ottoman Empire was one of the most powerful states in the world – a multinational, multilingual empire, controlling as much of Southeast Europe, Western Asia, the Caucasus, North Africa and the Horn of Africa.
(5) Although natural law is often conflated with common law, the two are distinct in fact that natural law is a view that certain rights or values are inherent in or universally cognizable by virtue of human reason or human nature, while common law is the legal tradition whereby certain rights or values are legally cognizable by virtue of judicial recognition or articulation.


答えは下のほうに載せておきました。
質が悪いのは勘弁してください><

だいたい慣れると、「あ、またこのパターンか」みたいに認識できるようになります。上手くパターンを説明できないのが自分の能力の低いところです……。問題を解く際にこうしたパターンを瞬時に見破れば良いですが、毎回上手くいくとも限りません。オススメは、「ここが怪しい」と目星をつけた部分の単語を一つずつ取り除いて文を読んでみることです。「怪しい」とは、一読しただけではすんなりとは文が読めない部分のことです。単に修飾関係が複雑なだけなときもあれば、変な単語が余計にあるためにすっきり読めない場合もあります。
あとは文の大意への意識をなおざりにしないこと。文法の誤りだけを問う問題であっても、文脈を正しく理解していた方が結果的に文全体を読む速度・精度が上がるわけで、対象の下線部だけを読むのは愚の骨頂です。と言い切りたいのですが、別に満点を狙わないなら下線部だけ適当に読んでも2−3問は合わせられるような気もするので、これも人によりけりってことなのでしょう。
でも慣れれば割と満点が取れるような気がします。
単純に考えて、N語の問題文に対して「並び替え」ではN!通りの可能性があるのに対して、「不要語切除」ではN通りしか選択がないわけです。見慣れない設問だからといって匙を投げるのは勿体無い。


2. 並び替え
シャッフルされた単語を意味の通る文に直すもので、形式はいろいろな大学で出題されているので分かりやすいと思います。センター試験でもお目にかかります。
そんなに難しくない時もあれば、極端に難しい時もあります。パズルと同じで分かってしまうとそれで終わり。
n! 通りをすべて確認するようなアホらしい解き方に至る前に、自分が気をつけていたことを書いておきます。

a. イディオムのつながりを意識する
b. 三単現や過去形の動詞の位置を絞り込む
c. 先入観を捨てて泥臭く並び替える

アホらしい解き方も時々有用になるので、先入観に囚われて泥沼に嵌るくらいならってところでしょうか。
まあ、分かるときは分かるしダメなときはダメなのがこの設問の特徴です。パパッと見切りをつけるのが一番大切といえるかもしれません。他の問題を解いたあとでまた見直すと、ふと解けるようになることもあります。ゆえに、最初に4Aを解くとこのチャンスが増やせるので便利なのですが、まあこれは個人の嗜好に依るでしょう。




答え

(1) is
(2) to oppose の to
(3) yields to の to
(4) as much の as
(5) in fact that の fact