国民が知らない東大入試の真実

文系の東大受験生に役立てればいいなと、情報を置いておきます。

各種予備校の東大模試について

各予備校の模試の比較です。何かしら受験生の役に立てばいいかなあと思います。

主観が含まれていますが、周りの東大受験生も自分と似た感じの感想を持っていたので、客観性もある程度は保障されていると思います。自分は東進・河合・駿台をすべて受けたので、この3つの予備校について書きます。


・東進 6月・9月・1月

  • 長所

とにかく返却が早い。復習が捗る。
日本史は問題・採点の質が高い。東進のホームページに仔細が書いてあります。
英語の採点が良い意味で甘めで、本番に近い感覚が得られる。
年3回ある。特に直前にやってくれるのはありがたい。
解答用紙が本番に酷似している。本番に配られた解答用紙はパッと見た時に東進とものと見分けがつかなかった。

  • 短所

数学の採点がひどい。(答えや論理が合っていても途中経過でガンガン引かれる。「説明不足」が常套句)
数学の問題の計算がかなり鬱陶しい。(問題の発想は簡単なのに計算だけ煩雑、という種の問題が多い)
判定・順位・偏差値などが出ない。平均点のみ。(東大特進コースに行っていれば、特進生内での順位は把握可能)
6月、9月は1日ですべてを終わらせるので疲弊がすごい。(駿台・河合は2日かけて行う)
母数が少ない。代ゼミほどではないかもしれない。


駿台 8月・11月・直前テストゼミ

  • 長所

ほとんどない。A判定上位のみ冊子掲載。
強いていえば、と書き始めてみたけどやはり長所は思いつかなかった。駿台の人ゴメンなさい。

  • 短所

日本史の採点が酷い。平均点が10点台になる。問題傾向も本番とかなり異なる。
地理でも不当な難問が出題されて平均点が10点前半になることがある。
英語では歯応えのある問題が少ない。そして配点がグチャグチャ。記号問題の配点が異常に低い。わけがわからない。



・河合 8月・11月・直前テストゼミ

  • 長所

世界史の第3問の配点が2点。本番に近い点数が出やすい。開示の得点の高さを見る限りだと、世界史の第三問は20点満点というのが妥当らしいです。なんでほかの予備校が追従しないかは謎。
A判定がすべて冊子掲載。

  • 短所

英語の採点が謎。英作文や要約で、「この人目がついてんのかなぁ」というへんな採点を受けることがある。
数学の採点が甘すぎる。(ただ本番で難問が出題された時に多めに部分点がくる可能性は十分にあるので、一概に短所とはいえない)
解答用紙が本番と乖離しすぎている。数学とかは本番より明らかに解答欄が大きい。(河合模試では各教科で大問ごとに別の用紙が配られるが、本番だと文系は数学・国語・英語は1枚、社会は合わせて2枚)
解答用紙の折り目が答案の記入に著しく邪魔。わざわざ短所として指摘するくらい邪魔。

  • -

駿台の日本史の採点は異常に厳しく、ほかの予備校なら30点前後の答案が10点になることがあります。そのため全体として点数が低迷するので、「A判定だけどこの点数じゃ本番の最低点に届かないなあ」という心配はないです。
模試全体に言えるのですが、だいたい本番よりも点数は伸びにくい傾向にあるので、点数そのものよりも判定・偏差値などを気にした方がよいと思います。

・国語はどこの予備校もクソなので気にしても仕方ないです。どの予備校も共通して古典が異常に難しい。現代文の採点も謎。120点分も配点があるのがつらいですが、適当に埋めれば50点くらいは取れるのでがんばりましょう。

・模試の利点は、「合格すればいいや」という妥協を、「少しでも冊子の上部に名前を掲載させよう」というモチベーションに変換できることなのですが、結構採点が適当に行われていることもあって、点数が多少ブレてもおおらかに受け止めることが大切です。採点の裁量や予備校との相性とで±15くらいは平気で上下します。文系だと社会と国語の240点分がかなりブラックボックスな採点にかけられるので仕方ない。

・それでも、文系だと採点基準が比較的明瞭な英語と数学が安定していれば(足して130以上をコンスタントに取れていれば)、個人的な感触としてはA判定から落ちることはないです。B判定以下の場合には、何かしら改善可能な模試の「敗因」があると思います。

・なんだかんだいって、東大入試に似た問題を全国の東大志望生が受けるという点では有意義です。平均点を見ておくと、東大受験生の一般的な実力がどれくらいなのかが掴めます。実際は高2から受けている人、東大模試を受けていたけど一橋などに志望変更する人なども含まれているので、そこまで正確なデータではないですが、模試の結果が及ぼす安心感・危機感は比較的精度の高いものだと思って大丈夫だと思います。


模試は毒にも薬にもなるものです。過度に気を揉みすぎず、信頼できそうな部分をうまく活用するのが良さそうですね。